今も荒野をめざして走っているだろうか


吉野朔実さんの「少年は荒野をめざす」
高校生になったばかりの頃にこの作品と出会い
それからずっと私にとってのバイブルであり続けています。
幾度も幾度もページを繰り、今でもよく読み返す、大切な作品です。


初めて読んだ頃、狩野はまるで自分のように思えました。
年月が経つことで薄れていったり、忘れてしまう気持ちというのは
様々にあるものですが、私はこの作品と出会っています。
もう、その頃と全く同じ気持ちにはなれなかったとしても
こんな風に日々感じていたのだというそのことを
これからも忘れることはありません。
きっと、誰もがそんな作品と出会っているというわけではないのでしょう。
私にとって、本当に幸運な出会いだったと思えます。
年月が流れるほど、そのことを強く感じているかも知れません。


狩野と陸が、今でも大好きです。
ふたりはあれからどうなっただろう。
今でもよく思いを馳せます。
狩野の心に永遠の少年が棲み続けたように
私の中にもあのふたりが、これからもずっと
棲んでいるのだと思います。


以前から、この作品については話をしたくて
一度は書きかけてもいたのですが、積年の思いが強すぎて
とてもまとめきれはしませんでした。
それでもまたいずれは、と思っていたのですが
こんなかたちになってしまい、とても寂しいです。
突然すぎてまだ混乱しています。
それでもやっぱり
ずっと大切に思える作品と出会えて幸せです
本当にありがとうございますと、記しておきたいです。