モネ展@福岡市美術館


モネ展の福岡会場に行ってきました!
こないだの遠出というのはこれでした。


さてモネ展!私が行かないわけないですよね!と言いたいところですが
自分で思ってるよりも、美術館番組や展覧会についてのエントリ
上げてないですね・・・。
印象深かったものでも、感想書きそびれてしまったのがかなりあります。
しっかり覚えてるうちにちゃんと書きたかったなぁ。反省。


このエントリ、少しばかり前置きが長いです。
まあ普段も前置き長めの傾向がありますが、いつにもまして長いです。
でも今回の前置きは、私にとってはこのエントリの本題ともいえる
内容ですので、よろしければお付き合いいただけるとうれしいです。


今回の展覧会で強く感じたことなのですが・・・
自分にとって大切に思える一枚に出会えるところは
必ずしも大規模な展覧会とは限らない、ということです。


今回のモネ展は「印象派」という呼び名の由来になった
あの「印象、日の出」もやって来るということで
印象派大好きな人間としてはぜひ見ておきたかったのです。
その点では満足しているし、行ってよかったと思っているのですが
この展覧会トータルの感想としては、ちょっと物足りなかったのです。


モネの作品で私が特に好きなのは、アルジャントゥイユ時代に
描かれたものが多いのですが(ざっくり説明するとモネの30代頃です)
今回の展覧会はマルモッタン・モネ美術館の収蔵作品が中心なので、
私の好きな時代の作品は少なめだったというのもあります。
それに、モネの作品は日本の美術館にも多数収蔵されているので
素晴らしい作品を見られる機会は、決して少なくないのです。
今回「モネの絵でこのモチーフなら、以前に地元にも来た展覧会で
もっと素敵な作品を見たなぁ。しかもあの作品は日本の美術館で
見られるはず」と思い、後で確認したらやはり日本の美術館収蔵の
しかも常設展示されている作品とのことで。


もちろん、人の好みは様々ですし一概には言えないのですが
ふらっと地元の美術館での、中くらいの規模の特別展に立ち寄ったら
そこですごく素敵な作品に出会った、ということも充分あるんですよ!
私もそれを経験しているので・・・しかしここにしっかりと
書き留めていないため、説得力にやや欠けてしまっていますが(苦笑)


ということで「絵を見るのはわりと好きだけどあまり詳しくないし
足を運ぶのは大きな展覧会中心かなぁ」という皆さん!
地元の美術館でやってる特別展にも、ちょっと気が向いた時には
ぜひ足を運んでみてください。
大規模展覧会より、ずっとゆったりと作品を見ることができます。
そして、自分にとって特別に思える一枚が待っているかも知れません。


・・・長々と書いたため、既にひとつのエントリ書き終えた気分に。
モネ展の内容そのものはここからです!つらつらと書いていきます。
書き忘れたこと後で思い出して、ちょこちょこと追記しそう(苦笑)


私が行ったのが福岡会場での最終日だから、というのもあるだろうけど
人がとにかく多く、自分のペースで巡るのはとても無理でした。
もしもう少しゆったり見ることができていたら、トータルでの感想も
もうちょっと違っていたような気もします。
まあ大規模展覧会なので、そこは仕方ないのですが。
会場は「順番じゃなくていいので空いてるところから見ていってください」
という感じの声かけまでされるほどの混み具合。
それにしても、世の中にモネ好きな人がこんなにいるんなら
みんな普段からモネについて語ろうぜ!とか思っちゃいました(笑)
セーヌ河とか、積み藁とか、雪景色とかさぁ!
アルジャントゥイユのきらめく風景、素敵だよねぇ・・・とかさぁ!


最初のエリアには、ルノワールが描いたモネの肖像と
やはりルノワールが描いた、モネの最初の妻カミーユの肖像も。
モネとルノワール大親友ですからね・・・。
後で調べてみたら、ルノワールはこの他にも、この頃たびたび
モネの家族を描いていたようです。素敵なお付き合いだなぁ。
モネの息子さんは、この二枚を同じ額に入れて飾っていたとのこと。
最初のエリア近くには映像コーナーがあり、その紹介映像の中に
この二枚が同じ額に入っていたときの様子も、少し映っていました。


「印象、日の出」一度は見ておきたかったから後期に行きましたが
前期展示の「ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅」もとても素敵な
作品なのですよね。見たかったなぁ・・・。
その「印象、日の出」は、歩きながらだけど近くで見られるエリアと
少し離れたところだけど止まって見られるエリアに区切られていました。
時間かかってしまうけど、私はやっぱり両方で見ました。


後半のエリア、睡蓮がいろいろ並んでるあたりになると
大きめの作品が増えてくることもあって、わりとゆったり場所を取って
展示されているので、混み合い具合も徐々に緩和されてきます。
マルモッタン・モネ美術館の来歴ゆえに、この展覧会は
モネの最晩年の作品もかなり展示されていました。
この頃にはモネは白内障を患い、視力がかなり衰えてしまっています。
そのため、何が描かれているか一目ではわからない作品が多いです。
しかしこうして、その時期の作品を実際に目の当たりにすると
その画面からは熱量が漲っているのです。
衰え、という言葉とはまるで無縁のもののように感じられます。
あまり見えなくなってしまったための変化、というよりも
この頃はこういう作風だったのでは・・・と思えてきました。
もし「モネの晩年の作品」という前情報なしで作品を目にしたとしても
おお、この作品、モチーフはよくわからないけどなんだかすごいなぁ
結構好きかも・・・と思うんじゃないかなと。
むしろその方がフラットに受け止められるかも、とも感じました。


あと、モネがコレクションしていた作品群やその他にも
モネ以外の作品もいろいろ展示されていまして。
シニャックの水彩画よかったなぁ!
お馴染みの緻密な点描画と比べると、意外なほど色数は少なめで。
でもその少ない色をうまく効かせていて、鮮やかです。
水彩画はどのくらい描いてるのかなぁ。もう少し見てみたい。


物足りなかったとか色々書いておきながらも、グッズ売り場では
かなりお買い物をしてしまうのでした(笑)
ポストカード、ルノワールが描いたモネの肖像を用意したのだから
ルノワールが描いたモネ夫人の肖像も、一緒に作ろうよ!
セットみたいに展開しようよ!
モネの息子さんが、同じ額に入れて飾っていた二枚ですよ?



そして、今回のモネ展のオフィシャルサポーター
田辺誠一の描いたモネの絵も飾られていました。
撮影OKなので記念に。
モネは日本が好きなので「もしモネが日本に来たら」という絵です。
モネが富士山を描いていますが、富士山そのものは描かず
池に映っているところを描いた、というのがいいです。
あ、これはモネ展の特集番組にて
どなたかがおっしゃっていたことなのですけどね。
確かにいいですよね、映っているところを描こうという発想。


長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださった方
どうもありがとうございます。
モネ展はまだ巡回中ですので、何かお役に立てたらうれしいです。
そして、ふらっと立ち寄った地元の美術館にて、特別な一枚に
新たに出会う方がいらっしゃるなら、それもやっぱりうれしいです。