クウガを見終えたので、初見組の感想など書いてみます

仮面ライダークウガ東映特撮YouTubeにて全話完走!
(番外編はさすがに未配信ですが)


好きなところ、物足りなかったところを
思い浮かぶまま書き連ねると、とりとめなくなりそうなので
ここはそれぞれポイントを絞って書いてみます。
初見組の一人の感想として、さらりと読んでもらえれば。


好きなところ・・・
これはもう筆頭はとにかく、静かなところ!
特撮ヒーロー作品の醍醐味の大きな魅力のひとつは
やはり心燃え立つ場面になると思います。
しかしクウガは要所要所で、とても静かな場面が多い。
傷心の少女が行方をくらませる場面だったり
戸惑いを抱えた少年が昔住んでいた町を訪ねる場面だったり。
静寂を恐れない演出が、とても印象深かった。
最終決戦に至っては、戦いの場面でありながら
雪原という舞台も相まって、この作品の極みでは・・・とも
思えるような静けさ。
戦いというものの持つ、痛みや悲しみや苦み。
他のさまざまな作品でも、最終盤の戦いともなると
痛み・悲しみ・苦みといった感情が伴うことは増えますが
そういった面にスポットが当てられることは稀であり
ヒロイックな音楽とともに戦いきっていくことが主です。
特撮ヒーロー作品におけるカタルシスというものを考えるなら
ヒーローが勇壮に突っ切ってくれるのは、もちろん正解なのですが
決して大仰には押し出さずとも、戦いの痛みは痛みとして、
悲しみは悲しみとして、苦みは苦みとして描く
そういうヒーロー作品も見てみたいと思っていて。
クウガの最終決戦はまさにそれでした。
しかも最終的には生身の戦い、というのがまた。
(生身、という点は知っていました。著名な作品なので
ほっといても多少の前知識は入ってしまう)
初代ガンダムでも、それまで幾度もMSで相見えてきた
アムロとシャアの最後の戦いがフェンシングになるのとか
すごい好きなんですよね・・・。


ちょっと話逸れつつ
この作品のそういう空気が好みなのだと思います。
現行の日曜朝にも、たまーにでいいからこういう作風を
やってくれないかなぁ、などと思ったり。
とはいえ、平成ライダーの第1作目だからこそ
こういう異色さ(今見ると)も成立しえたのでしょうね。


そういえば2話の、炎上する教会で五代くんが変身するときの
あの台詞、とにかく有名な台詞なので知ってはいたのですが
私はあの台詞を、きっと最終決戦に臨む直前の言葉だろうと
思っていたらそうでなく、むしろ一番最初の決意表明の
言葉という、真逆のものだったので驚いたのです。
しかし最終決戦に臨む前にも、ほぼ同じ台詞を言っていて
未見のときの印象もあながち間違いではなかったことに
再び驚いたのでした。
しかし言葉の内容、告げる相手が同じであっても
描かれ方はまるで違っているのですよね。
最初は、それこそ燃え立つ炎のような決意であり
最後は、あらゆる痛みを飲み込んだ、雪原のごとき静かさ。
あのふたつの場面のコントラストは鮮烈でした。


そして物足りなかったところ・・・
こんなとこに引っ掛かり覚えるのか?と自分で思いつつも
五代くんの「冒険家」な面って、描写少ないような!
性格や信条、何があって今の五代くんとなったかは
背景がしっかり描かれていて、納得できるんですよ。
それなのに何故か、冒険家という部分だけが
彼は冒険家という「設定」ですよー、というくらいにしか
私には感じられなくて、ちょっと残念だったのです。
たいしたことではないのですが、他の部分が
しっかりしてるだけに、この点が妙に気になって 。
「冒険」って、結構キーにもなってる言葉ですし。
五代くんをそれとなく心配するおやっさんとの会話や
雪原の最終決戦前に、一条さんが五代くんに向けた言葉。
どれも良い場面なので、もっと五代くんの冒険家ぶりが
こっちに伝わっていれば、さらに響くのに・・・!と。
たぶん作中であまり描写されてないだけで、五代くんは
まわりの皆に、今までの冒険の土産話もいろいろ
してるんだろうなぁとは思います。
この作品は、主人公格のキャラクターと同じくらい
周囲の人たちの描写もとても丁寧で細やかなので
五代くんの冒険家描写、ある意味割を食ってるのではと
ちょっと思えないこともなかったり。
とはいえその細やかさが、この作品の大きな魅力の
ひとつであり、もし主人公のさらなる描写のためにそこを
削ってしまったら、作品の良さが半減してしまいますし。


という感じで、初見組がひととおりお送りしました。
いろいろ書きそびれてる気も・・・今回はポイントを
絞って書いたので、それ以外で何か書きたいことは
またの機会に書いてみるかも知れません。
書くとしたら、拓くんのエピソードについてとか・・・。
それでは今回はこの辺で。
お付き合いくださった方、ありがとうございます。