超人機メタルダー 全話見終えての感想前編

まず最初、この作品は初見という認識でいたけどいざ視聴したら
ED曲「タイムリミット」は、なんだか昔聴いたような覚えが!
スピルバンの後番組なら、継続して見てた可能性は十分あるなと思いつつも
もしそうなら何故記憶に残ってないんだ?と疑問に思っていたら・・・
19話にて「何の作品かは忘れたけど、長年記憶に残っていた場面」に再会。
(主要キャラでなく、その回のゲストの親子のほんとにちょっとした場面)
そしてこの作品は、低視聴率を挽回する為に第25話から
放送時間枠が月曜夜→日曜朝に移動になっていたと知る。


つまり私は、この作品を枠移動になるまでは見ていたんだな。
大幅な、曜日&時間帯移動の為に脱落してしまったのか・・・。
見てたこと自体を忘れてたのも、低年齢の頃に途中までしか見てないからか。


ということに気づき、25年の時を経て続きを見ているのだと思うと
何だか妙に思い入れが沸いてきた作品です。


いつもながら長めの前置きを終え、最終回の感想だけど・・・


超重力エネルギーは、ともすれば地球自体を吹き飛ばすほど危険なものという
主人公の命運を揺るがす重大な設定が、とても唐突に出てきた・・・。
EDの映像を見る限りでも、ラストのおおまかな方向性はたぶん
番組開始当初から決まっていた作品なのだろうなと思ってる。
けどその唐突な設定はどう考えても、ラスト間際での急ごしらえだろう・・・。
番組打ち切り決定当初は37話で終了の予定が、後番組の準備が間に合わず
急遽2話延長になったということだから、シナリオ製作現場では
かなりの二転三転があって苦労したのだろうなとは思う。
本来の予定のうちには、かなりの壮絶なラストもあった模様。


そしてあのラストシーンだけど、思いのほか解釈が二分される?
メタルダーは完全に機能停止、死を迎えた
・流星の姿には戻れなくなったけど生きてはいて、どこか遠くへ旅立っていった
配信コメント欄などで、意見がこの二つに分かれていたので驚いた。
私の解釈は完全に前者で、後者は思いもしなかったので。
だって、装置を破壊するともう流星の姿にはなれない、というだけなら
舞と八荒だってあれほど泣いて葛藤することもなかったと思う。
やはり、姿だけではなく命そのものがかかっているからこその葛藤では。
メタルダーのあの去りゆく姿は、現実の姿でなく心が捉えたもので
それでも二人へ向けたラストのメッセージは、彼が発したもの。
あのラストシーンは、私はそう解釈しています。


それにしても意見の分かれぶりを目にすると、あのラストは
どちらにも取れるように、あえてぼかしたように見えてならない。
例えば最終回に、舞や八荒が登場するエピローグ的な場面も加われば
その後の顛末をわかりやすく、視聴者に伝えることができる。
もしかすると、エピローグを入れる尺は足りなかったのかも知れない。
それならそれで、ラストには政宗一成氏のかっこいい声で
いつもの感じのナレーションを加えれば、どういう結末を迎えたのかを
視聴者に明確に伝えることは充分に可能。だけどどちらの手法も取らなかった。


受け手の解釈に任せるという表現は、基本的にはありだと思うのですが
この作品に関しては、ラストにメタルダーが死を遂げたのであれば
はっきりそう伝わるように描いてほしかった。
1話ラストで自分の生まれてきた理由を問うていたメタルダー
物語の最後で、大切な仲間に「僕は生まれてきてよかった」と伝える。
彼はどういう境地でその言葉を残していったのか、というのは
作品のテーマそのものに関わる大切な部分だと思うのです。
それでも、ああいうどちらともつかない描き方をしたのは
視聴者の子どもたちへの気遣いという部分もあったのかも知れないなぁ。


沢山書きましたが、こういう具合なので
最終回は1回目の視聴では結構戸惑ったのです。
2回目も見たら、その時は何だかしんみりとしました。


感想後編では総括的なことを書きたいけど、どうなるだろう。